和田忠彦の「声、意味ではなくーわたしの翻訳論」の目次
を見たとき、そこに並んでいる顔ぶれに、わぉわぉお揃いで
すねと声をかけたくなってしまった。

須賀敦子、山崎佳代子、ダーチャ・マライーニ、内田百?、
矢川澄子、リービ英雄。。。。笑顔

この1年の間に、この方たちの著書のどれかを読んでいた
からでしょうね。

須賀さんともご縁のあったマライーニ家のダーチャの作品
にはとくにこだわって、「帰郷シチーリアへ」と「シチーリアの
雅歌」、また戯曲の「メアリー・ステュアート」を読みなおし、
次にはどれを読んでみようかと、Amazonでのリストを見て
いたところでした。
「セブンシーズ」のシチリア特集に載っていた、貴族だった
ダーチャの母方の館などを興味深く眺めてもいました。

そこで「声、意味ではなくーわたしの翻訳論」にとり上げられ
ていたダーチャの2001年暮れに出たとある「神戸行の船ー
母の日本日誌」をすぐに読んでみたくなり、検索にかけたの
ですが、1件もヒットしません。
どうやらこれは、海外での出版をさしているようでした。

1938年、夫である文化人類学者のフォスコ・マライーニ
きまぐれがき参照)と娘たちと共に日本に渡ったトパーツィア・
マライーニが遺した、日本での写真や切り抜きなどをあしらい
ながら綴った日記を、娘のダーチャが、遡った記憶を辿りつつ
過去を甦らせていく。。。それは63歳になったダーチャの目で
探る若き母の記録であり、母の記録のなかにある幼かった自分
自身の姿。

母トパーツィアの一族が描かれていた「帰郷シチリーアへ」を
読み終わったばかりの頃に、手にすることができていたならと
残念に感じるけれど、海外版の表紙でも眺めて翻訳されるの
を待つしか仕方がありませんね。

リボン 海外のサイトで拾ってきた「La nave per Kobe」の
画像は↓
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リボン 母トパーツィアと娘ダーチャのアップ。 
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