終わってしまえば、夢のなかでの出来事のように朧な記憶となって
しまうのだわ。3日間だけのオサさんのアンドレ、最初の日と最終日
を観て来ました。

アンドレが銀橋を渡りながら何度も言っていた「肖像画。。」というの
はこれなのか。
紗幕が明かるくなると、そこにはペガサスに乗っているオスカルの
肖像画が一面に描かれていて「ふ~む微妙な絵だ」と思うまもなく、
今度は紗幕が上がりやたら可愛らしい作り物のペガサスに乗った
コムオスカルが登場。

初日が開ける前に、ペガサスを報道陣に披露したときから「座付き!
なんてことを!」と呆れていたそれを今、目の間にして私は言葉を失う。
ペガサスってなんとかという女神(?)の切り落とされた首の滴る血の
中から誕生したのでしたよね。
おぞましい生、だからこそ壮絶に美しく凛とした姿であってほしい。
優美な翼で天を地を翔てほしいのよ。
そしてなによりも神秘的じゃなきゃ。

それがたどたど動くクレーンに操作されて、なんか許せないビジュアル
で。あの座付き作家、一幕の終わりにとんでもないことを思いついたも
のだと、オケボックスを越えてのり出してきたペガサスをうっかり見入っ
てしまって、気がつけば下手花道でセリさがっていたアンドレの姿がほ
とんど消えていたぁ。
心に一瞬の隙が。。か。
セリ下がっていくオサアンドレを見届けられなかった、許せよ。
これって座付きにしてやられたってことなのかなぁ。

おばあちゃん子、アンドレ。
「おばあ~ちゃん」なんていうオサさんの台詞を訊くと、「夜明けの序曲」
の津坂を思い出して、奇しくもおなじ座付きじゃないですか。

オサアンドレ最終日は、最初の日の緊張感もとけて、とっても良くなって
いました。
オスカルと交わす眼差しも、微妙にズレていた初日に比べて、おお!
さすが同期、ぴったしラブ交線になったじゃないかと安心。

でもCSでワタルアンドレが荒々しくオスカルを抱く場面を見てしまったら、
あ~オサアンドレ、あまりにもさっぱりしすぎだなぁ。
オスカルの背中にまわしたオサアンドレの手、もうちょっと感情こめて!
なんてパレルモの時と同じことを思ってしまって、情感、ほとばしれ!!
お願い、オサさん ほとばしって!
まぁ、そういうイライラはつきまといますな。

ビジュアル的には黒髪も似合って、池田理代子漫画から抜け出てきた
ようなアンドレで、たったの3日それもムラのみというのが惜しいことで
ありました。