今日届いた絵葉書。
どこまでも深い青、地球が吐き出す塵にまみれていない澄みきった
空を、仰ぐように威風堂々とそびえるドーム。
ドームを飾る、イスラム建築独特のもざいくタイルのこの青は?
もしかしたらと文面をみると、やっぱり建物はサマルカンドのグーリ・
アミール廟でした。

 今サマルカンドに来ています。

差出人はヤマちゃん。
そういえば、シルクロードの旅に行ってくるからと訊いたおぼえが。

だいたいヤマちゃんという人は、旅に出ているかどこかの劇場で観劇
しているかで、自宅に電話をしてみると本人はほとんど不在。
いつだったか電話にご主人が出られて
 「今、ちょっと出ております」
たまたま近くのコンビニにでも行っているかのような素振りだったこと
がありましたが、あの時は
 「チチカカ湖に行っていた」 というから、うへぇ~となるのです。
え?それって何処?
アンデス山脈のあたりだという。
ヤマちゃんにとっては、南米もその辺感覚。

それでも何年か前に、豆満江の中国側の川辺で、対岸の北朝鮮の
人に手を振った時には、さすが近くて遠い国を実感されたのだとか。

ヤマちゃんのシルクロードの旅のコースは、逢ったときに訊くことに
して、そうそうソロプチミストのチャリティーのゲストでターコさんが
大阪に来られるそうですよ?


武田百合子の「犬が星見た」は、冷戦時代の旧ソ連のタシケント、
サマルカンド、ブハラ、トビリシ、ヤルタ、モスクワ、北欧をまわる旅
行記でした。
旅の仲間には銭高組の当時の会長もいらして、80歳をこえる銭高
老人を見つめる百合子の筆は絶品!たちまち銭高老人のファンとなり
銭高組の建築現場の前を通りがかった時には、現場で作業をしている
人たちに話しかけたい衝動に駆られたりしたものです。
他の誰が書いた旅行記も、味気なく物足りなく感じさせてしまう百合子
の天真爛漫で独特の感性に惹かれて、読み終わってはまた旅のはじ
めに戻ってを繰り返して、何度紙面の旅を楽しんだことか。

ヤマちゃんからの絵葉書で、百合子をまた読んでみようとの思いが
ふつふつと湧いてきたのでした。