京都駅、近鉄電車の改札に入ってしまってから、「そうだ、アンカー展
をやっていたはずだった」と、今通ってきた道を人にぶつかりながら戻
って美術館「えき」へ。
駅にくっついている伊勢丹の中にある美術館だから「えき」。
えっ!?えきかよ。。。みたいな。

アルベルト・アンカー、こういう絵画は見ていて気が楽だ。
どうしてもこの絵が欲しい!家に持って帰りたい!とは思わない。
会場で見ているだけで心がなごみ、帰りにポストカードと画集を買えば
満足なのだ。

藤田嗣治の版画展での即売は、そこから立ち去ることができなかった。
会場をちょこっと抜け出しては、家人に「いくらいくらだが買っていいか」
とメール。「じゃあこっちの絵はどうだ?」とメール。
頭の中でお金の計算をしながら見て歩くのは疲れる。

アンカー展では、描かれた19世紀の少女や少年たちが着ている衣服、
手に持つ学校道具や編み物の毛糸と編み棒を丹念に見ていく。
農家や中産階級の室内に置かれた家具や壁紙も注意しながら見てい
く。
特に椅子フェチの私としては、描かれた椅子から目が離せない。
静物画に描かれた食器の柄も気になる。ソーサーの形も気になる。
ロイヤルコペンハーゲンに似たブルー&ホワイトがあったけれど、あれ
はどこの窯のものなのか?
と、金銭が過ぎらない鑑賞は楽しい。

どれも素朴で懐かしい薫りがする作品ばかり、ほっと優しい気持ちにな
ったところで、いよいよ明日はオサさんに逢える日ですよ~♪