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ハーケンクロイツに赤いドレスの女。
おおマルグリット!?。。。ではありません。
楽天レンタルから届いたDVD「ブラックブック」の一場面。

楽天のDVDレンタルは、借りたい作品のリストをあげておくと、在庫
のあるものから送られて来るのですが、この「ブラックブック」を再生
しながら、私、なんでこの作品借りたかったの? だいたいどこでこ
の作品を知ったの? 出演者はいったい何語をしゃべってるの? 
知ってる役者なんか出てないし。。。
自分でリストアップしたくせに、訳分からない疑問だらけの状態で、ぼ
んやり画面を見続けて、しばらくしたところで「そうだ!」と叫びそうに。

列車のコンパートメント、分厚い本のようなもの(実は切手の蒐集本)
を一心に見ているナチスドイツの軍服の男! ジョージ五世と同じ趣
味ですな。
あっ!これだ!!この男!!!
壁崩壊直前の東ドイツを舞台にした映画「善き人のためのソナタ」で、
シュタージ(国家保安省)によって監視されていた劇作家を演じてい
た役者ですがな。
この役者の他の出演作を見てみたくて「ブラックブック」を見つけ出し、
リストに入れておいたのだったと思い出しました。

ナチス占領下のオランダ、主役は画像の赤いドレスの女。
歌手でユダヤ人の彼女は、家族がレジスタンスのメンバーの裏切り
で罠に落ち殺され(この時点では罠だとわからず、後になって知る)、
自らはレジスタンス運動に身を投じることに。
そこでスパイとしてナチスの中核にもぐりこみ、出逢ったのが以前列
車のコンパートメントで逢ったことがある親衛隊の将校のあの男。

彼は妻と子供たちを英国軍の爆撃で亡くしているからか、人の弱さと
哀しさを知っている。。。ああ危険だ危険だ、同じ体験をしている男と
女が出逢ってしまったら。
レジスタンスのスパイとナチスの将校とが恋に落ちてしまった。。。

極限状態での恋。そして瞬く間に消えてしまった男。
女がこの男を思い出す時、刃物が突き刺さるような胸の痛みを伴う
だろう。
といって恋だけの話しではなく、崩壊直前のナチス内部とレジスタンス
の暗部が巧みに絡み合ったサスペンス映画なのですが。
監督は「氷の微笑」のポール・バーホーベンでした。
なるほど、官能的描写!

ここはオランダ、同じナチス占領下のパリでは、マルグリットが彼女
の人生を生きているところね、なんて思いながら見てしまうのでした。