退団後初めてのコンサートで、ドレス姿を観た時のことだったか。
むき出しの肩のラインは衝撃だった。
多少の布に纏われている部分もあったけれどほぼむき出し。

その後、ロビーで売っていた舞台写真を全部買って帰った。
ふ~む。。。鎖骨そのものは美しくても、左右の突端って結構不気味
なものなのねぇとか。
ところが鎖骨の上に広がる窪み。
そこははてしない詩情に誘われる場所なのよとか。
まぁいろいろと感じたわけ。

愛する女の喉のくぼみを、ボスポラス海峡と呼んだのはアルマシー
(「イングリッシュ・ペイシェント」の彼ね)だった。
オサさんの清々しく広がりをみせて、クルージングだって楽しめそうな
その場所を彼が目にしたら。

私のボスポラスは、贅肉という土砂が海峡を侵食し陸地化してしまっ
たのか、ほとんどくぼみを確認できない。
鎖骨の突端なのか上腕の関節なのかがよくわからない。

そのあたりの風景の違いに納得できず、確かうちにあったはずの
「エトワール」なんていうDVDを探し出してきて(「弱者に生き残る道
はない!」オペラ座バレエ学校の教師の一言に胸つぶれる思いよ。)、
バレエダンサーたちの鎖骨をいちいち一時停止で眺めてみたり、
PCで人体骨格と入れて検索してもみた。

理科室の奥まった場所に置いてあった人体の模型の販売などがヒッ
トして、放課後理科室の掃除であの骸骨を見るのは恐怖だったなぁ、
懐かしさのあまり買ってもいいぞの気持ちになったが、よく見ると売り
切れと書いてあった。
ほぉ~こんな物が個人的趣味で買われていったのかしら?

と、たかが鎖骨とくぼみに血迷い、それもオサさんの写真を凝視しな
がら、まるで地図をつぶさに把握して土地勘を養っているかのような
私であった。

PCのデスクトップは夏にあるソロコンのチラシ画像。
またもやちょこっと望めるボスポラス海峡。うっふん。
その空にはかもめとなった私が飛んでいる。

だから小豆に、アナタちょっと気持ち悪い。。。と言われるわけだ。