最近の私には、新刊に飛びつきたいほどの思いにさせてくれる
作家がいない。

ねじまき鳥よ早く飛んで来い!来い!
あの時は待って待って、どんなに待ち焦がれたことか。
新刊を待つ熱い思いは、村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」で
最高潮にたっした。
3巻が書店に平積みされた日のことは忘れられない。
フォーサイスの「オデッサ・ファイル」は、ケネディが暗殺された
時間に自分が何をしていたか、数十年が経過した後も米国民の
ほとんどが記憶しているというような文章で始まる。(相変わらず
曖昧デス
ねじまき鳥が飛んできた日が、私にとってのそれ。

次の作品の発売もそれはそれは楽しみに待った。
「スプートニクの恋人」までは。
その後、春樹熱はぱったりひいた。
なんだか飽きちゃったのね。
春樹を読む幸せの日々は「海辺のカフカ」の頁を開いても、戻って
は来なかった。


そして、ついこの間、春樹5年ぶりとなる長編が発売された。
予約の段階で増刷されたと話題の書き下ろし「1Q84」。
なんだかんだ言いながら私、予約しといたんだな~
新しい本のにおいをかいだだけで、まだ読みはじめていないけど。
撫ぜてはあげた。
今夜あたりからそろそろいってみるか。
時を経ての、こっちも歳をとっての、春樹の世界。

ん?頭の中でオサさんが歌う「Melodramma」のフレーズがリフ
レインしてないか?
 あの幸せの日々 もう帰らない~♪