2006年05月

哀悼

Yahoo!のニュースで、作家米原万里氏の訃報を知りました。
とうとう力尽きてしまわれたのかと残念でなりません。

週刊文春に何人かの持ち回りで担当されていらした「私の読書
日記」の書評は、ここ最近ずっと癌のあらゆる治療法本からの
体験を検証しているものでした。

藁をも掴みたい者に対して治療側の心ない暴言に、読んでいる
こちらも傷ついたりしましたが、最後まで積極的に癌と向き合い
快復という二文字を絶望視しなかった米原氏に、ご自身の作品
「オリガ・モリソヴナの反語法 」の登場人物オリガ・モリソヴナの
奇跡のような運が舞い降りてきてほしかった。。。

「オリガ・モリソヴナの反語法」の中での収容所の描写は、フラン
クリンの「夜と霧」のアウシュビッツを思い出させて、醜悪な環境
での極限状態においてでも、光を見つけ出すことができる人間の
魂とはなんてたくましいのだろうと感動したのをおぼえています。

やすらかな眠りがおとずれますように。

タイタス・アンドロニカス

ついこの間、殺し屋ウルフが最期を遂げるまでの数ヶ月を過ごした
無国籍の空間が、今は純白が目にしみる古代ローマの世界。
そこで繰り広げられるおぞましい殺戮の連鎖「タイタス・アンドロニカス」
を観てきました。

今回、初演時とは役者がかわっている役がありました。
主なところではエアロンとマーカス。

エアロンが小栗旬にかわったと知った時にまず浮かんだのが、この
「タイタス」と同じ蜷川演出の「ハムレット」で小栗君が演じたフォーティ
ンブラスでした。
ビジュアルはまさしく今風若者、小顔で手足が長くて衣装の着こなしは
美しいのに、これも今風若者どこまでも醒めているようで、国を征服す
るのだという力強い気概など感じられず、あれではフォーティンブラス
の軍勢を見てのハムレットの独白が白けるな。
演技者としてほとばしるものを感じさせてほしいのよなんて、がっかりし
つつ、その後蜷川さんが彼をよく起用するのを不思議な思いで観てき
たものです。

が、この舞台、蜷川さんに育てられたというところもあるのでしょうが、
経験を積んできたことが見て取れる小栗君で、当初抱いた不安感が
杞憂に終わったのは嬉しい誤算でした。
といっても、手ばなしで良かったとは思えません~
終幕近くに諸悪の根源のように言われるエアロンの、ムーア人で囚わ
れの身でタモーラの産んだ肌の黒い赤ん坊の父親という生き様を演じ
るには、その出自からおのずと身につけざるを得なかった世渡りに長
けた狡猾さで、憎いばかりの自信にあふれていてほしかったかな。

赤のローブをひるがえして行く長身、やっぱりビジュアルに助けられて
いるところも無きにしも非ずだったのでは? 「小栗の美しさには目が
離せなかった」と英国のプロデューサーもおっしゃったということですしね。

そしてマーカスが壌晴彦にかわったことで、こんなにも舞台が引き締ま
るものなのか、次々に襲ってくる哀しみを耐えるには、身近にこのよう
な人物がいてほしい。
その懐ですべてを受け止めてくれるだろと思わせる深い情感のこもっ
たマーカスでした。

そしてそして我らのターコさん!麻実れい。
井上ひさしの「箱根強羅ホテル」での清楚な美しさも忘れられませんが、
タモーラのような悪の華もほんとよくお似合いで、この人以外の誰がタ
モーラを演じられようかとまで思わせてしまう存在感。
麻実タモーラは、復讐することで心の奥の哀しみが癒されるはずがない
ことを充分に知っているのではないかと思わせるんですね。
ラヴィニアを辱める場面のタモーラが、ふと我に返ったときに浮かべた
苦悩の表情。その苦悩の下には虚しさに覆われたうつろな心が隠れて
いそうでした。

麻実のドレスさばき、もとい脚さばきがその昔っから大好きだい!(そ
もそも身体全体の動きがしなやかで美しい人。。)と、言い続けてきた
のでありますが、今回のように長いタイトなドレス、「オイディプス王」の
時のイオカステもそうでしたが、ほんと無駄のない脚さばきの美しさに
は見惚れてしまいます。
またドレスの裾から時折覗く足先が、かつての男役時代を彷彿とさせ
てこれがまたツボなのですわぁ ラブラブ

タモーラが産んだエアロンとの間の肌の黒い子供を、始終震えて泣い
ていたタイタスの孫が抱きかかえての絶叫は、敵対する者に決して和
解など有り得ないという歴史の哀しさに思えてなりません。
異宗教、異民族間で繰り返してきた殺戮の歴史は21世紀になっても
地球上から消えてはいない現実。
だからこそ、和解への願い、祈りをこめてのメッセージと受け取るべき
なのかもしれませんが。

大祝福!!

トート閣下と皇妃がご結婚。おの方とあの方ですよ~
おめでたいではないですか。

これからもこの二人で「エリザベート」を演じていくというのなら、
それはちょっと待ってよ~そんなもの観たいはずないではないか!
と思いっきりひきますが、もうすでにトートのあの方は退いている訳
ですし、皇妃の方は今公演で休養に入るとおっしゃっているのです
から、育んでいらした愛を大切にお幸せにねと祈るばかりでありま
すよ~
白いマーガレットを摘むことができてよかったね、内野さん。
ふ~メロメロ内野聖陽なんていうカテゴリーを作っていたのね私って。

某掲示板を覗くとすごいことになってますが、そんなに憎いのかトート
と皇妃が。
まぁファン心理とはあのようなものなのでしょう 困った

それよりも今の私は「エリザベート」の版権がどうなっているかのほう
に、関心がむいているかも。

宝塚に戻るのか?
なら誰がトート閣下を?
それはお披露目公演なのか?

版権がこのまままだ東宝にあるのなら、次回の皇妃は?
もう観厭きたエリザ、それでも出演者如何によっては。。。うぅぅぅ~
狭い視野からは、思いつかないような人選だったりするかもしれませ
んね。
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