2006年10月

須賀敦子の魂の旅

 
 11月5日(日)夜8:00?9:55 BS Asahiにて
 「イタリアへ・・須賀敦子 静かなる魂の旅」が放送されます。

  詳しくはBS Asahiの番組紹介で →☆ 

1週間、好きなところで過ごしておいでと時間を与えてもらったら、
迷わずトリエステに行くだろう。
須賀さんの著書「トリエステの坂道」に綴られていたように、私も
ミラノ・リナーテ空港を飛び立つ空の便の乗客の一人となって。

トリエステでは、ウンベルト・サバの生きた軌跡を探して歩く須賀
さんが見たものを求めて、日がな一日アドリア海を見下ろす坂の
町を歩き続けたい。

「ウソゥ!よく言うよ。歩ける はずがないだろう」 の声が東の方で。
西の方でも。
たしかにデパートのワンフロアーを歩き廻っただけで疲れてしまう
虚弱体質。。と、言わせてもらっておこう。



tpt黒蜥蜴むむむ。。。

数日前に、tpt「黒蜥蜴」のすでに麻実れいで決まっている緑川夫人
以外についての配役発表がありましたが、はぁ?????
明智役に落胆されていらっしゃるみなさま。。時間の経過と共にすこ
しは気力を取り戻されましたか?

むなしく響く。。美には美を!

演出も当初はデヴィッド・ルヴォーが手がけるかのごとくtptサイトに
記載されていましたが、今回の発表ではルヴォーと門井均との共同
演出なのだとか。ルヴォーなら観たかったと思っていた者にとっては
どのように考えたらよいのでしょうか?
英国からのルヴォーの指示に、門井均が稽古場で演出にあたるなん
て最悪なことは、まさかないですよね。

○○さまの、ターコさん 降板しちゃえばいい!のご発言。
私も同意見でありますぞ!

だいたいtptって、tptフレンズのためだけの演劇なんですか!?
宣伝なし!ガリ版刷りのチラシ(古っ!)さえもなし!
PCを持っていないとしたら、情報の入手は極めて困難。
さらには、11月に初日を開ける公演の前売りが、配役が決まらなかっ
たとはいえ同じ11月に入ってからというせせこましさ。
演劇ファンを蔑ろにしているとしか思えません。


堕天使の涙

コムちゃんは人間ではなく、魂のように輪郭があいまいで体温なさ
そうな役が似合うのでしょうか。
あの細いコムちゃんの、さらに頬骨が皮膚を破って突き出てきそう
なほどに肉が落ちたお顔が痛々しくはありましたが、堕天使ルシフ
ァーの姿の美しさには感嘆!
人間界に迷い込んできた悪の華は、どこまでも美しくなくてはね。

この芝居、キリスト教色がかなり強いのですが、乙女な景子先生
の脚本は甘いというかぬるいというか青いというか大仰というか、
あれしきのことで堕天使は何を悟ったというのか?と思えるような
人間界のいくつかのエピソード。
確かにエピソード自体はあり得る事として面白いのですが、そこに
堕天使が絡むほどのことかと。

舞風りらのリリスは惨めであればあるほど、福音書の
 「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」
が生きてくるのですから、十字架にかけられたイエスのように、誰か
らも見棄てられた者として描きたかったのでしょうが、今公演サヨナ
ラだというのに寝たきり着たきり。
新調お衣装とっかえひっかえだった同期のふづき美世のサヨナラと
この違い、奇しくも脚本演出は同じ景子先生。もうちょっとなんとか
ならなかったのかと思わなくもないですが、「光のパ・ド・ドゥ」が夢の
ように素晴らしかったので良しとしよう。

「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」を訳すと
主よ、主よ、なんぞ我を見棄てたまうや(何故に文語訳。。)
私にとっては「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ」のマルコ福音の方が
しっくりくるのですが、それは遠藤周作の「イエスの生涯」に感化され
てしまったからなのかも。

それはともかく、十字架上のイエスが最後に叫んだ詩篇の一句である
「エリ、エリ、。。。。。」
景子先生、壮大なテーマを織り込んでしまったのねと背中がむず痒く
なってきたところにリリスの「受け入れる」の台詞。
神の沈黙を絶望せずに、すべてを受け入れて死んでいったイエスの
愛そのもののようなリリス。
これに、憑き物が落ちたようになる堕天使。
今まで、ボクなんだかスネていたんだ。。そんな感じですか。
堕天使としての面目は捨てたのか。。宝塚での宗教色はややこしい。




見るからに堕天使!
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ディズニーのキャラクターのなかで断トツに好きな
「シンデレラ」のルシファーですキラキラ

tpt黒蜥蜴

やきもきしながら待っていたtpt「黒蜥蜴」の公演日程が決まった
ようです。

 11月24日~12月20日!

お!全ツ広島千秋楽後にゆっくり上京できますな。
今度こそは父と兄のお墓も訪ねるのだと肝に銘じよう。
今まで東京に着いても、劇場に向かう道すがら「やぁ!私よ」と、
父たちが眠る小石川方面にチロッと目くばせするだけで、劇場に
入りびたりとなっていましたからね。

で、明智はーーー!?前売り日は?
最近のtpt事情はよく知らないのですが、宣伝などまったくする気
がないのは相変わらずですか?
しかし、この余裕をかましたのんびり加減って、いかがなもの?
tptプロジェクトの運営が大変だと訊いたのはかなり前のこと。
良質な演劇の提供と観客動員のギャップは、頭を抱える問題であ
るだろうけれど、よくここまで続いてきたものだと、私ごときがこんな
ことを言ってしまって。。。いいのでしょうか。

わたしを離さないで

「ファントム」千秋楽後に、もしかしたら。。の発表でもあった時には、
気を紛らわすためにカズオ・イシグロの久しぶりの新作に没頭しよう
と、買い置きしていた一冊。

それも来年度のラインナップ発表を見た時点で、お!これならここで
サヨナラの発表はないだろうと、勝手な安堵感を抱いて(といっても、
近いうちにやってくるであろうことに変わりなし。
「今来るのなら、後では来ない。後で来るのでなければ、今来るはずだ。
たとえ今来なくとも、やがては必ずやって来る。覚悟がすべてだ」
しばらくはこのハムレットの心境そのままの日々が続くことに変わりなし)、
私にとって「日の名残り」「わたしたちが孤児だったころ」に続いて3冊目
のイシグロ作品である「わたしを離さないで」を読んだのでした。

昨年刊行と同時に英米でベストセラーとなったそうなのですが、キリスト
教圏で関心をもって読まれるテーマであるだろうと思うのは、クローン羊
のドリー誕生はイギリスでのことでしたし、なによりも神の摂理という問題
に関わることが、もうこんなところにまできてしまった生を描いている衝撃
によるからか。

そう、もうこんなところまできてしまった生を生きている登場人物たち。
それでも希望があって夢をもって愛を感じて生きている者たち。
その彼らが知る現実、自分の生、役割。
やがてそこへゆくのだと知って生きていく怯え、不安、絶望。

行き着くところが見えないから生きていけるようなものなのに。彼らは。。
閉塞感がいたたまれなくて泣き出したくなるけれど、作中の風景に映画で
見てきた英国の田園をかさねてふと心がなごむ。
この風景の中を車で走りながらゆく主人公キャシーも、かつての仲間たち
と同じように、やがてやってくる生の終わりを「受け入れる」のだろう。

どんな人の人生にも当たり前にあると感じているもの。
自分を産んでくれた親であったり、将来の夢や希望であったり。
それを持つことができず、断ち切られてしまう人生を受け入れて生きてい
る人物の、今は静かなたたずまいに打ちのめされる思いで、読み終えた
のでした。

「文学界」に掲載されたカズオ・イシグロ氏のインタビューを
こちらで読むことができます。  →☆

ネタバレは嫌!と思う方はリンクを飛んで行っては駄目ですよ~汗
イシグロ氏、内容についてかなり詳細に語って下さってます。

黒蜥蜴(2)

tptサイトでも「黒蜥蜴」の詳細がupされていないのですが。
もう前売りをはじめなくてはという時期なのに。
せめて日程だけでも教えておくれ~
花組全ツとかぶるので、早く予定をたてないと上京できなくなって
しまうのよ~~

tptの「黒蜥蜴」は三島由紀夫戯曲。
麻実とルヴォーのコンビ!それだけで気持ちが高鳴るというもの。
ターコさんが三島の戯曲を読みはじめているとおっしゃっていたの
が某会の時。私もあわてて図書館で借りてきましたよ。

三島独特の華麗なレトリックを駆使した文体は、文章として読むぶん
には苦ではないのに、いざ客席で台詞として聴くと思考が途切れてス
ムーズに頭に入ってこない苦しさを味わうことになるのだと、過去に観
た舞台を思い出してしまいました。
あれはやはりルヴォーと麻実コンビでの「サド侯爵夫人」でした。
もっとも何度か観ていくうちに、終幕に向かってのルネの流麗な台詞
の連なりに魅せられてしまったのですけどね。

この時、ロビー(といえるのかベニサンのあれ。。まぁ客席の外ですな)
でお逢いした宝塚の某演出家いわく「よかったよ。。」。。
演出家なら、どこがどんなふうによかったのかもうちょっと言及してくれ
てもよさそうなものを。私もつまらないことを覚えているな。


台風と秋雨前線の影響とやらでシトシト雨降りが続いたここ数日。
azuママはお部屋にこもって、乱歩の「黒蜥蜴」を読んで過ごしたのだ
とか。
きっとazuママは緑川夫人に、「検察側の証人」の舞台で登場した瞬間、
客席が息を呑んだ麻実れりのキリリとした姿をかさねているに違いない?
花組に緑川夫人はいないとメールが来ちゃいましたからね泣く

私は乱歩の「黒蜥蜴」は冒頭の裸踊りで読むのをストップ。
なにしろ三島戯曲だって読み終わってないのよ。

たった数頁を読んだだけなのに、やっぱり私は宝塚での緑川はオサさん
でということで。はい。
巻き舌で「ダークエンジェル万歳」なんていう台詞をオサさんに言わせて
みたいじゃないですかラブ
azuママと相反して、くねっとした緑川夫人を望んでいるわけではありま
せんよ、ですがオサさんだったらくねるだろうと。。それも観てみたいなぁ。。
じゃなくそれこそが観たい!怖い。。?
心中は曖昧にしておこう。

ファントム(4)東京千秋楽オサさんご挨拶

昨夜、azuママからいい加減更新しろとの、お叱り電話をいただいて
しまいました。
ながぁ~~~
長ぁ~~~いお休み申し訳ありませんでした。

あの日は(「ファントム」のうるうる~東京千秋楽ですよ)ほとんど霧雨
となった頃に、涼やかな笑顔で出てこられたオサさんを見送ってから、
お隣のホテルで高校生のナナ嬢も交えて前日と同じようにしばらくお
しゃべりをして(立ち上がる気力も抜けちゃってたしね)、国会議事堂
近くの定宿に帰ったのが深夜でした。
それからまた千秋楽をご覧になれなかったSさま、azuママに電話で
涙のご報告、みなさまほんとにお疲れ様でした~

初演からの間隔が短かった作品の再演は、演じる側にとってどれほ
どのプレッシャーかを思うと胸が痛む日々でしたが、その想像をはる
かに超えるものだったであろうことが、千秋楽でのオサさんのご挨拶
から伺えて、観て来たひとつひとつの舞台がエリックが、脳裏を駆け
巡ったのであります。

「どんな方向へすすんでいくのか 見当がつかず 毎日必死でした」

CSでの座談会で、役作りを語るときに見せた揺ぎ無い自信の奥に、
実はそんな不安も隠れていたのだと今更のように知ったとはいえ、
それでも誰がなんと言おうが「あの傷でいい」と言い切ったことをはじ
め、オサさん独自のエリック像をつくりあげ、この公演を魅せてくれた
頑張りと強固な意志に、いま私は感慨をもって、オサエリックをいとお
しく思い出しているのでありますよ~~うるうる。。。

大劇場の時よりもさらに繊細で深く魂に響く歌声は、心洗われるよう
でした。
しかしエリック、あんな森を創って悦に入っているなんて、まったく無邪
気でおちゃめなヤツだったよな。
孤独に生きている胸の内を覗いてしまったようで切なさが募ってきたけ
れど、それを無理やり振り払って鳥の啼き声に騙されてあげたのだよ。
うぅ~ん、さらには、ウイリアム・ブレイクの詩集をさながら聖書のごとく
抱えて、絶望に突き落とされたとて許すことを知っているアナタは、まる
で神のようでもありました。クスン。。。

退団者、組替えの仲間にふれる言葉に、朴訥ながらも愛惜の思いがこ
められていて涙を誘われました。
録画したCSニュースを見ても、オサさんの今にも泣き出して崩れてしま
いそうな声を訊くたびに涙目になってしまう。

千秋楽翌日の早朝の新幹線、車窓から見た劇場に、
「夢の世界での遊びと、ひとまずサヨナラ」
別れを告げて日常へ帰宅。介護だ~~
のはずなのに、全ツのチケットを買い足そうとしている私がいます。

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