2007年09月

気品

「品位(気品)を大事にしておくれ。それは謙虚さから滲み出てくる
ものなのだよ」
これは三島由紀夫がかつて主宰していた浪漫劇場の女優でもあっ
た村松英子に言った言葉だそうですが、三島作品ともなにかとご縁
のある麻実ターコさんの生きる姿勢には、この言葉に通じるものが
あるように感じられます。
紫綬褒章のお祝いをかねたお茶会でのターコさんは、いつものよう
に真摯で謙虚。
さりげない静かな言葉の中から演劇を愛している熱い想いはビシバ
シと伝わってくるので、次の作品への期待がふくらむばかりとなりま
した。

ノースリーブで剥き出しの腕が小麦色に日焼けしていらしたのは、
ヨットから紐でつながれた浮き輪に身をまかせ、カリブ海を漂ってい
たからだとのお話しに、隣席のazuママと「やっぱり私たちも行かな
きゃね、カリブ海」と、目と目で言い合ったのでした。

ニューヨークから飛行機で6時間か......
取敢えずは手近なネットの海で見つけたお土産を。
どこかで見覚えがあるアロマですよね。ね。

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わたしの初日

「アデュー・マルセイユ」「ラブ・シンフォニー」
私の初日は、お江戸からのSさま、そしてazuママ、azuちゃんの
初日でもありました。

背広を脱ぐとベスト姿の肩からサスペンダーで吊ったような形
で、腋の下あたりに拳銃をおさめるあれはホルスターというもの
なのでしょうか?
正式にはなんと呼ぶのか、米国の警察物シリーズ番組がお好
きなたぷろうさんにそのうちきいてみよう。
私もあれがほしい。
今公演中いつも、家事をする時にも肩から左脇下にぶら下げて
いたい。
おもちゃの拳銃と一緒に通販で買っちゃおうかな。

だってオサさん、拳銃のホルスター姿がカッコ良く似合って、
国際刑事機構(だった?)の立さんに、素質を見込まれる場面
など、私のお気に入りとなってます。
ただ抜き取るおさめる、それだけなのにうっとり。
私もつくづく試してみたくなりました。

呑気にこんなことを書いてますが.......
芝居もショーもたまらなくサヨナラだ。
泣いたのだ。

芝居ラスト近く、「あなたのそばにいたいの」と訴えるマリアンヌ
に、「君の使命は、勉強してフランスに女性参政権を確立するこ
とではなかったのか」
「離れていてもぼくは君を思うことができる。君はぼくを思うおもう
ことができる」なんて言うのだ。ジェラールのやつ。

「いいかい、僕たちはより大きな未来にむかって進んでいくんだ」
君は君の未来。  ぼくはぼくの未来。
なんだこれは、オサさんが宝塚に残していく相手役に言って聞か
せているかのごとく、ではないですか。

ジェラール、マリアンヌそれぞれの旅立ち。
ほんとにオサさんは旅立たずにはいられない人なんだなぁ。
この間のDSで、どこか遠いところへ旅立ったばかりだというのに。

舞台がマルセイユだということを忘れてしまいました。
ジェラールが港から船に乗るために行く銀橋が、花の道となりま
した。
ジェラールを観ているつもりが、もうジェラールではない!春野
寿美礼その人をみている思いで胸があつくなりました。

てらかわを

ある方からのメールに「オサにもてらかわを」とあり、一瞬なんの
ことやら分からなかったのですが、このとろい私がすぐに、はっ!
と閃いたのは寺川氏のことでした。
私も心のどこかで、ある方と同じ思いでいたからでしょうか。

てらかわ=寺川氏とは、ちょうどオサさんのDSの頃に亡くなられ
た、松竹のプロデューサー寺川知男氏のことです。

今店頭に出ている「AERA」。
疲れ果てぼんやりしてしまった安倍前総理の横顔が表紙ですが、
「トップスターが得た男役からの自由」のタイトルで、悩みながらも
ひたすら前へ前へと進んで来られた麻実れいの軌跡が掲載され
ています。

記事にあるように、今の麻実れいを語るのに、忘れることができな
い人物のお一人、それが寺川氏です。
プロデューサーと役者の出逢い、そして両者の間での信頼関係が
いかに大切なものであるかは、今までもターコさんの口から語られ
てもいましたし、何度となく記事にもなってきたことなので知っては
いましたが、今回の記事も感慨深いものがありました。

役者として、本当のものを見る目をもった優秀なプロデューサーに、
優しく激しく見守られることほど幸せなことはありません。
ファンとしても、麻実れいでこの作品をと望んできたものは、ほとん
ど叶えらたという充足感が得られたのは、プロデューサーの力によ
るところが大きいと、私なども寺川氏には感謝していました。

いずれは、脇にまわっても輝く英国のヴァネッサ・レッドグレーブの
ような役者にと、ひそかに思っていましたけど、ターコさんのあの存
在感、華やかさ、ヴァネッサに負けてはいません。
ヴァネッサはお金のための仕事も受けたなどと、お茶目な顔して平
気でインタビューにこたえてしまうので、神秘的オーラについては
ターコさんのほうがまだまだ勝っているかもです。

そこで、ある方の「オサにもてらかわを」に戻るわけですが。
オサさんが退団後、仕事を続けていかれるのなら、この「てらかわを」
を、老婆心ながら泣きたい思いで切に願ってしまうのです。

あるがままをあるがままに

サヨナラ公演の初日が開くまで、1週間をきってしまったのですね。
ひろちゃんもサヨナラで、azuママとはもう来年の花組公演で顔を
合わせることもなくなってしまうのかと思うと、さらに寂しさがつのり
ます。

オサさん、最後のDSとなったetudeのDVDを繰り返し見ては、
(チラチラ映る私の後頭部汗)バカだな私、めでたいな私と呆れて
いるのが、お得意の記憶違いというやつ。

スコーピオンズのStill loving youを歌うオサさんは、
 時が 悲しみを 消してゆく~♪
と歌っていた、そうだ時が経てばどんな悲しみだって癒えるだろう、
時にゆだねよう.....と健気な思いでいたのに。
DVDで聴いてびっくり!
 時が 悲しみを 消してゆく ことはない と、歌っているではないで
すか。それもきっぱりと。ああ真逆!

そこで単純な私はすぐに、そうだ!いくら時を経ても消えない悲し
みだってあるのだと、まりちゃんのことを思い出していました。
私がまだ学生だった頃に死んだまりちゃんを思い出しては、今も柱
に寄りかかって泣くもの。時なんて関係ない。

   まりちゃん   

作家のどなたかが自著で、30数年前に死んだ飼い犬を思い出すと、
今でもタオルを目にあて大泣きすると書いてもいましたからね。



あるがままをあるがままに(受けいれよう)とは、Sさまから訊いた
ターコさんの言葉だったでしょうか。

アロー!レビュー! つづきもっと

そしてフィナーレ。
大階段にスポットがあたると、DSで最後に着た薄いピンクの
衣装でのオサさんが!

DSでは、ファンは何色を着た私を見たいのか。
私がピンクを好きなのだから、ピンクを着よう。そうしよう。
決断早っ!
そして作ってもらったのがあのお衣装だと、舞台稽古では酒井
先生や他の先生たちも写メールでこうしてと、自分に携帯電話
を向ける構えをしてみせながら、とろける笑顔で語っていたお茶
会でのオサさん。
あれは7月.....今は初秋。時が過ぎるのが早すぎる。

片方の肩からのローブが裾をひくその衣装で「世界のどこに」を
歌いながら銀橋を行くオサさんは、母親のぬくもりの代わりにブ
レイクの詩集を抱きしめる儚げなエリックではなく、春野寿美礼
として神々しいまでの輝きにみちておりました。
「ブルー・スワン」で「それでも親かよ~!」と父親に言い放った
気弱なような突っ張っているような青年を演じたあの可愛らしか
ったオサ坊が、時を経てよくもよくもこんなに立派に成長されてと、
私は乳母か?の心境。

銀橋でのラインナップ、2階席の隅々を、照明室を、天上までも
見渡していたオサさんの姿に、もうどうしたらいいの.....今も胸が
苦しい。

アロー!レビュー! つづき

やっと現実の世界に、劇場のイスにすわる私に戻れたのは、上手
花道からセリ上がってきたオサさんの あかねさす~♪を聴いた時
でした。

ヤマちゃんのお顔が脳裏をかすめ、頭をふっても離れてくれない。
この方にとっての中大兄皇子とは麻実れいだけ。
確かに、湯治場での麻実皇子の髪を無造作におろした姿の色香に、
私、小学生(?)でしたけど死にました(おい!)。

そんなこんなで現実に引き戻されたお陰と申しましょうか、おさあさ
トークを楽しむことができました。
瀬奈さん、オサさんから使い古しじゃない新しい付け睫毛をもらった
のがよっぽど嬉しかったのか、この日の本公演でもこの睫毛で出て
いたと、目をバチバチさせて喜んでいました。

「このTCAスペシャルが最後になりますが、アサコには宝塚をぐい
ぐい引っ張って行ってもらいたい、その睫毛で」
「この睫毛でね」
睫毛で笑いがおこったものの、オサさんが発した「最後」という言葉
に、私はどうしようもなくうろたえてしまいました。
最後だとわかっているけど、最後はイヤだ。まるで思考回路が幼児。
さらにオサさんてば「みなさんの心の中にいつまでも、この自称ゴー
ルデンコンビがいきつづけますように」だなんてしんみりさせやがって。
嗚呼避けられない別れは確実にやってくる。

でも二人、カモン!アプローズ!カモン!~♪と威勢よく銀橋から
はけて行きました

プログラム進んで、Song競演。
安蘭さんは粋に歌うナイト・アンド・ディ、オサさんは巻き舌クンバンチ
ェロで登場。
歌いつつオサさん、足早に上手ソデにはけるなと思っていると、ソデ
間際で何やら手渡されたのがアフロの鬘。
下手ソデでは安蘭さんが同じ状態で待機。
ということでアフロ姿で銀橋に飛び出してきた二人。
「エンター・ザ・レビュー」での懐かしいじゅりオサ、全ツではゆみこちゃ
んと盛り上げた中詰の歌を、今度はとうオサで。

二人の戯れ絡み合う絶妙なスキャットにシビレ(古っ!)、客席に投げ
捨てたアフロが飛ぶのを目前で見て、ギョ!ウソ!いやぁ~ん!なん
てねじれていると暗転となり、二人は暗闇のなか客席正面を向いて髪
型を整えておりました。
照明が入ると同時に二人の雰囲気がらりと変わってONE HEART~♪
そうだ!ここでも私は泣いたのでした。
信じる。人を、明日を。
なんだかこっ恥ずかしいけれど、青春だな。
傷ついても立ち直ることができるのは、信じる心があってこそなんだな
んて、長いこと忘れていた思いだ.....

ということでフィナーレについては、明日また。
おやすみなさい。

アロー!レビュー!

はぁ~時はどんどん過ぎていく。
あれほど待っていたのに終わってしまったTCA。
9月に入ってから突如、TCAのSS席あるけど行ける?のお誘いに、
行く!行くからと、大慌てでヘルパーさんとペットシッターさんの調整
を頼み、平日7日も観ることができたのでした。
関西盆地住人につき終電に間に合うか微妙だった最終回は、オサさ
んファンにお譲りして、両日ムラへ。

手を伸ばせば飛んできたアフロをつかめそうなお席、オサさんの睫毛
の一本一本までも確認できるお席。
目の周りにブルーを入れた今回のメイク、下睫毛にそってもブルーが
入りアンドレメイクを思い出させるオサさんでした。

どこかで聴いたことがあるあの曲。
いつだっただろう?誰が歌っていたのだろう?
舞台奥ホリゾントに近いセリからせりあがってきたオサさんの後姿に
もう泣いている私。
あのセリからのセリ上がり、そして盆がまわり舞台前面に出てくるとい
うポピュラーすぎる演出が、なんといっても大好きで、毎公演観たいと
願っているほど。

オサさんの優しい歌声をなぜていくピアノの音色が美しく哀しい。
花組男役出演者一人一人に近づき触れて、通り過ぎていくオサさん。
サヨナラシヨーを観ているかのよう。

 夢よ~翼に愛をのせて歌え
 世界の果てにとどけ
 輝き はばたき 命燃やす愛

銀橋に並んだ花組生の歌声にかぶるようにオサさんのスキャットが
劇場中に響きわたる。
私がいる場所はどこ?劇場のイスなどではない。
世俗の垢にまみれた魂が浄化された世界、現実なのではなくもしか
したら、ついこの間梅芸で藤壺宮が望んでいたように、私も夢の中に
入ってしまったのかもしれない。

ハッ!と現実の世界に舞い戻ってきたのは、2部になってからでしょ
うか。



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