舞台/役者

第18回讀賣演劇大賞

まだ夜が明けきっていない時間に小豆からのメールを受信。

讀賣演劇大賞 最優秀女優賞 麻実れい。
60歳だったのね。

一気に目が覚めた。
まぁなんだな。。。60歳がどうだというのよ。そうよ団塊の世代よ。
我が家は朝日新聞なので詳細が知りたくて、コンビニへ讀賣を
買いに走った。

おめでとうございます。ターコさま。

最優秀賞は、第1次選考会で投票委員101名の得票数1位の作品・
人物で決定するとのこと。
ターコさんは幹の会+リリック『冬のライオン』のエレノア・オヴ・アキ
テーヌ役、tpt『おそるべき親たち』のイヴォンヌ役の演技が評価され
ての受賞。
過去に優秀女優賞 7回受賞。そのうち最優秀女優賞が今回で2回目。

受賞レースの常連さんとでも申しましょうか、いつもならあっ!またね
で慣れっこになっていたけれど、今回は特別に嬉しい。
いつの時も、今の麻実れいが演じるべき作品、役柄のオファーが光
の道のように迷うことなくまっすぐとターコさんを目指しておりてくる。
システィーナ礼拝堂の神の手が、生命を吹き込むようにのばした指の
先、そこにあるのはアダムではなくターコさん?
そう思えてしまうほどに、演劇人として選ばれた人。

退廃と猛々しい奔放にまみれつつも、あくまでもエレガントという
絶妙のバランスを見せた。
この審査評に異論はないが、麻実といえば退廃とエレガントだと
『双頭の鷲』『サド侯爵夫人』を演じた頃にはすでに言われていたこと
ではあるのよ。

大賞は蜷川幸雄との一騎打ちだった『ザ・キャラクター』。
野田秀樹の作品だ。

観劇納め

やっと飾ったプレゼピオ。
背後から、また夏まで出しっぱなしだろう。。。の声が。

280


今年度の芸術祭賞が発表され、演劇部門ではTPTの『おそるべき
親たち』が大賞に輝きました。

おそるべきキャスト、スタッフ。
おそるべきTPT。

ジャン・コクトー、おそるべし。

お茶会で麻実ターコさんは語っていらした。
『おそるべき親たち』は、育てていただいた大好きなTPTで、お役に
たてるならと引き受けた。
演出の熊林弘高さんは、TPTの『黒蜥蜴』の時にセットの後ろでピアノ
を弾いていらしたのだとか。
「4人の実力派の緻密で柔軟な演技力と、一人の新人のピュアな力強
 さが拮抗し、凄烈な共鳴を引き起こした舞台は、圧倒的な完成度の
 高さで他を圧していた。
 ーー中略ーー
 演劇ならではのダイナミズムを存分に味わわせてくれた、稀有な名舞
 台である。」
と評され、ターコさんの喜びもひとしおでしょうね。


そして、今年の観劇納めは、麻実ターコさんの音楽朗読劇。
お誘いいただいた宝塚スペシャルを振り切って、兵庫芸術文化センター
での『停電の夜に』を選んだのだ。
この舞台の発表があるまで、私は作者のジュンパ・ラヒリを知らなか
った。
ロンドン生まれのベンガル人でニューヨーク在住。美しい人だ。
現在40代の前半、すでにオー・ヘンリー賞、ヘミングウェイ賞、ニューヨ
ーカー新人賞、ピューリッツァー賞、フランク・オコナー国際短篇賞の受
賞歴を持つ。

朗読はイメージが果てしなく広がる。
2部の『三度目で最後の大陸』は、登場人物それぞれのキャラが際立
っていて、朗読されているターコさんの向こう側で、役者たちが演じてい
る姿を観ているかのようであった。
アポロ11号が月に星条旗をたてアメリカ中が湧き上がっていた時代。
いるんだなぁ。
頑なにWASP至上主義かにみえて、意外にも広い視野で生きていたり
するあのような老婦人。
異国で生きていく自信を、人との出逢いから得ることがあるとすれば、
あの老婦人が主人公の男性に与えた影響は計り知れないものがあっ
て、そこに泣ける。
ターコさんも涙を拭っていたように見えた。

音楽と朗読が、あうんの呼吸で嵌った時の感動はたまらない、今日が
そうだったと、アフタートークで音楽の笠松泰祥さんとターコさんお二人
ともが話されていらした。

ターコさんは千鳥格子のパンツスーツ。
舞台ソデより歩み出たその瞬間から、これぞ麻実れい。
今年もありがとう。


拍手を有難うございました

 AZUママ
  不幸じゃないよ。人生なんて思いとおりにならないものさ。
  なんてことを言うようでは、朗読で感動した意味がないわね
  あの老婦人は103歳だよ。当時ウーマンリブなんかの活動をして
  いそうだった娘が介護したのだろうけど、100超えたら大変よね。
  お互いまだ100いってないだけでもいいんじゃない。。。なぐさめ
  にもなってないけど。。。


ご無沙汰してしまいました。お許しを。

久しぶりの更新、ごめんなさい。
頻繁に電源が落ちるPCに、なんとかせねばと思いながらもなにもせず。
データのバックアップさえしていないなんてガクブル>たぷろうさん
だってそのバックアップの最中にも電源落ちするんだなこれが。最悪。

ご無沙汰期間を振り返ってみると。
『越路吹雪トリビュートコンサート』での前髪を切ったオサさんが可愛す
ぎて、一人清廉な女学生のようだったとのSさまからのメールに、ウヒ
ウヒ~と気を良くした私。
たった25組だなんて当るはずがないと、申し込み時から諦めていたエ
スティーローダのイベントに、なんとしても行きたくなった。が落選。
この時になって、主催側の知り合いに隅っこにでも入れてと懇願よ~
担当が違うとあっさり却下されて、あはは~ん、そうですか。
ただ面倒なだけでしょと悪態ついてみたりと、オサさんのことになると私、
性格が変わります
今年、オサさんを観たのは『ファニー・ガール』とファニー千秋楽翌日の
大阪でのイベントと梅芸でのコンサート1回だけ。
遠征をしない身では、たったこれだけ。そう、それだけ。
関西に冷たいね。う~~~~~~む。 新FCへの入会をどうするか?
散々迷ったあげくに手続き完了。なら迷うな!!

関西で観ることができるものはせっせと観ておこう。
とはいえ『DREAM TRAIL~宝塚伝説~』は3回でいいかしらね。
初日、千秋楽、真ん中の日曜を用意。平日を含んでいるので、当日の
朝の母の様子次第でどうなることか。

麻実ターコさんのお茶会があり、演劇への溢れる愛に惚れ惚れするの
はいつものこと。
『冬のライオン』『おそるべき親たち』と今年も素晴らしいお仕事をされて、
『冬のライオン』ではまたまた讀賣演劇賞にノミネートされてもいて、それ
なのにどこまでも謙虚で真摯。
変わらないその姿勢に惚れるのだわ~
新幹線ホームで、発車のベルが鳴り終わるギリギリまでお話をされるの
もいつものこと。
来年、再来年も、いい舞台が決まっているもよう。
蜷川さん、『秋夕夢』のコピーをターコさんに送ってくださいましたか?
麻実れいで舞台化されるのを待っていますからね~
言い出したのは蜷川さん、アナタだよ~

一人でもくもくと通う先は大劇場『誰がために鐘は鳴る』。
といっても日曜だけが私に許されている時間。
今回は平日の千秋楽のチケットも取ってしまったけれど、行けるかどう
かだ。
この間などは帰宅してみたら母ご乱心で手に負えなかった。
「あなた、お帰りになって」 これしか言わず、ヘルパーさんを困らせてい
たらしい。

大空祐飛君のロバート・ジョーダンがはまり役。
包容力たっぷりな大人の男で素敵。

『歌劇』の座談会を読んだところ、ロバートがマリアに惹かれた理由に
ついて祐飛君、的を得たことを述べている。

「マリアは、それまでロバートの周りにいた着飾った女性たちとは違って、
荒れ果てた岩山に咲く清らかな一輪の花のように見えたのではないか。
愛らしくていとおしい。」
これがまさに初演時の遥くららだった。
野々すみ花のねっとりした芸風とは対極をなす持ち味の娘役だった。
でもすみ花ちゃんのマリアもいじらしくて、それこそ野うさぎのように可愛い。

Kさまが箙かおるのサロンコンサートに行くと訊いた時には、何故チャル?
頭の中を?マークが飛び交った
お馬関係と訊いて納得。当日、案の定岡田先生がジャーンと派手に登場
されたとのこと。ぬけめない。

そして『坂の上の雲』。
昨年放送された第一部の再放送を見て、第二部に備えた。
このような特集本まで買って。

278

8月はコウモリ

この暑さ。クーラーを止めることができない。
日中は極冷えの室内でぼんやり過ごして、日没と共に動き出すといっ
たまるでコウモリのように生きていた8月。
やむをえず出かける時には身体をカチカチに冷凍し、目的地に着く頃
にやんわり解凍が終えた状態となるよう、そして行った先では冷蔵状
態の身体に保ちつつ。帰宅時はもうとけてグッタリだ。
こんなことをしていたら自律神経が麻痺しきって、秋口には体調を崩す
だろう。

某日そんな冷凍人間で出かけて行った先は宝塚ホテル。
花組の組長から研一生まで全員をお迎えしての某パーティー。
今回、お隣にすわられたのは娘役さんだった。
乾杯のグラスに、どうぞ、どうぞと飲み物を注いで下さったり、楚々とし
たイメージとは異なり、一言一言が愉快な方で、意外にもテキパキとし
たしっかり者さんの印象。
トップさんも気軽にツーショットなどに応じていらしたり、とっても和やか
なひと時だった。


昨年末に機能停止となったHDDは、『はい、では初期化して下さい』。
メーカーの一言に、
『あわわわ~~
初期化って。。。録画してあるものが全部消えてしまいますよね?
いえ、すでに消えているんですけど。データ上ではHDDに空きがない
みたいなので。 これってデータは残っているのでは?修復できないか
と。。。。。あわわわ~~~』

うろたえる私に、またもや冷たく言い放たれた『いや、初期化してみて
下さい』。

。。。。。初期化で大事な『コースト・オブ・ユートピア』他、50数時間の
録画番組はきれいさっぱり消えてしまったけれど、快調になったHDD
にまたもや溜め込む。

ついこの間が千秋楽だったのに、もう放送された『冬のライオン』。
ヘンリー2世に平幹二郎、その妃エレノアに麻実れい。

広大な領土アキテーヌを抜きにしてエレノアを語れない。
可愛くもあり女傑でもあり。
幽閉先から戻されて、クリスマスのつかの間を過ごし、また幽閉される
館へと帰っていくエレノア。
見送るのは、妻であるエレノアを幽閉した夫だ。
長年苦楽を共にし、理解し合っている夫婦に戻ったかのような労わりの
会話。二人はなんて穏やかな表情をたたえているのだろう。
それまで丁々発止に噛み付き合っていたのが一変してこれなんだから

王位にあり広大な領土を抱えている者たちよ。ほんとにご苦労様なのだ。
この夫婦のすさまじい夫婦喧嘩を見せられたら、麻実ターコさん、
ストリンドベリの『死の舞踏』などもいかがでしょうか?

dubさんがイアン・マッケランとヘレン・ミレンのこの舞台を観にNYに行
かれたのは、あの自爆テロからそう日が経ってない時だったはず。
そういえばストリンドベリなんていう作家がいたね。幸せの欠片もない男。
この時に、彼と、彼の作品では『令嬢ジュリー』だけしか知らなかったの
を思い出したのだった。

ヘレン・ミレンといえば『終着駅 トルストイ最後の旅』がもうすぐ公開だ。
近場のTOHOシネマズに来てくれたら見に行こう。

 オフィシャルサイト ⇒☆

随所に流れてくるカッチーニのアヴェ・マリアに惹かれて、録画しながら
とうとう最後まで見てしまった『トーマの心臓』。
スタジオライフの舞台は初めて観たが、やはり私にはディディエ・オード
パンの首筋なんぞが思い出されて、羊を抱いて御ミサに与る姿の可愛
かった『悲しみの天使』をこえるものはないのだ。

 

拍手を有難うございました

 もにさま
  お返事が遅くなって申し訳ありません。
  『葬送』は ジョルジュ・サンドの多感な歳頃の子供たちとショパンの
  関係あたりを抜き出して読んでみたりで、はかどりません
  もにさまはすでに読了されましたか?
  サンドについては、時代の寵児でもあったミュッセやショパンを次々
  と愛人にして粋がっているどうにも鼻持ちならない女性。。。なんて
  思っていたのは私の知識不足でした。
  激しい恋に落ちて、あげく恋に疲れても、連れ子と愛人との間で苦悩
  しても、精力的な執筆活動は衰えをみせず、政治活動にもかかわっ
  たり、なによりも田園での生活を愛する魅力的な女性ではないです
  か。うん!オサさんに演じてもらいたいですよね。いい脚本で。
  それよりもなによりも、もうすぐですね。サントリーホール

ANJIN イングリッシュサムライ

BShi プレミアムシアターは、小豆が観てきて、私は例のごとくで観る
ことができなかった『 按針ANJIN イングリッシュサムライ』だった。
終了が深夜2時。最後まで見てしまったら目がさえて眠れなくなったの
でとうとう寝ずに迎える朝だ。

演出 : グレゴリー・ドーラン
脚本 : マイク・ポウルトン
共同脚本 : 河合祥一郎
出演 : 市村正親 / オーウェン・ティール / 藤原竜也

従来の舞台中継ではなく、映画館のスクリーン用にデジタル映像にした
もの(ライブスパイアというらしい。ソニーが創った造語らしい)の放送だっ
た。

これがですね。
カメラが台詞を言う人物へ律儀に移動するので、映画館のスクリーンで
見るならまだしも、家の小さなTV画面では、眼球の動きが右左右左とせ
わしなく、まるで卓球の試合を真横から見ているよう。
そのうち目がまわりだし酔ってしまう場面もあって、落ち着いて見られや
しない。
ふつうに舞台中継、それで見たかった。

が、徳川家康を演じた市村正親には釘付け。
タイトルロールの三浦按針はオーウェン・ティール。字幕が出るとはいえ
英語だし、ああ私は日本人、日本の役者のエモーションに慣れ親しんで
いるのだわ。

藤原竜也の英語はなかなかだったけれど、日本語の時と同じく聴き取り
辛い時があって、彼の舞台を観るたびにいつも思う。演出家はあれでOK
なの?かと。


すずめがチュンチュン啼きだしました。
さぁ、朝食にしましょ。それから少しだけウトウトしましょ。


 AZUママ
  大劇場ですね。最後の口上の日。なにかと大変な初舞台でした
  けど組配属も落ち着きませんね。
  グランマの闘争心に火をつけないよう、穏便に穏便に。
  オサさま話しには時間が足りなかったので、今度集中的に
  
  

遅筆堂

先日亡くなられた井上ひさし氏。
『箱根強羅ホテル』の初日まで、あと1ヶ月と少しという頃にこんなことが
あったのでした。

             ⇒☆  (過去のブログより)

井上氏がお帰りになられてから、山口ちゃんと同時に発した言葉は「ホ
ン、まだ書いてない

この時のすさまじい遅筆ぶりも、後日出演者が話していましたが、それで
も初日の幕は開いたのでした。

私はここ数年は、氏の作品をTVの舞台中継でしか観ることができません
でしたが、長くご覧になってこられたSさま、新作を観る楽しみが消えてし
まいましたね。

やすらかにお眠りください。



拍手を有難うございます

 名無しさま
  ほんとうに「よそんちの歴史」のあれやこれにオサさんをキャスティ
  ングしてみて一人で楽しんでいますが、現実になってほしい。ストプレ
  に目覚めてほしいと切に願ってます。 梅芸に行くたびに、座席におい
  てあるアンケート用紙に、春野寿美礼でこれが観たいあれが観たいと
  書いてきちゃってます。またコイツかと思われているかも

 AZUママ
  遺書という新手に出ましたか。AZUママの声を吹き込んで、常に聴い
  てもらって傍にいる感覚にさせるというのはどうでしょう。
  先生は、なーちゃんの時代の名ダンサーでしたよね。組配属も花組
  で、花組とは縁が切れないのでは? まぁそうおっしゃらずに。
  トップさん、同期の互助だと思って

とりとめなく続きを

ライラックが花盛り。
背丈が高くなりすぎて、高みの枝先に咲いた花を仰向いてひっくり返りそ
うにならないと眺められない。
枝をいくつか切って花瓶に挿すと、あたり一面がい~い香りに。

251

母ご乱心、落ち着いてPCを開くことができないでいた間に、千秋楽を終
えてしまった『ヘンリー六世』。

新劇(この言葉、今では死語ですか?)にも、イケメンがおるではないの
と感動。ランカスター側にいた長身で、声質、発声、滑舌のいい美丈夫
(これも死後?)が目に鮮やかに焼きついてはなれません~
ローブをひるがえして歩く姿が長身ゆえにサマになって素敵。サマセット
公爵と呼ばれていたわね。どれどれ、休憩時にパンフレットを繰って役者
の名前を確認しましたさ。
おっ、文学座の星智也だった。

ヨークの三人の息子達もこれまたイケメン揃い。
文学座にいた長谷川博巳 (フランス王シャルルとの二役)、そして池内
博之(サフォーク伯爵との二役)、高岡蒼甫。
王座を奪い取った父親ヨークの傍らに侍る3人のなんと美しいことよ。
高岡演じる、後にリチャード三世となる傴僂で異様な外見の息子でさえ、
その心を覗かなければ顔は美しいのだもの。


そもそも王の資質に欠けていたとはいえ、ヘンリー六世が書物に逃げこ
み、祈りの日々を過ごして、現実から目を背けていたい気持ちもわかると
いうもの。

フランスに勝利し、国内を平和に治めていた前王ヘンリー五世の後を継
いだのが、生後9ヶ月の時。
摂政となったのが薔薇戦争の火種に近しい人物たち。
血縁は憎しみを倍増させる。

そしてフランスから迎えた妃は、持参金なしのうえ、こともあろうかイング
ランド側の領地となったフランスの一部を、フランスに返還するという条件
のもと嫁いできたのだ。
客席で観ていた私でさえ、あらあらそんなぁ~とずっこけたのだから、領
地の返還についてはサフォークが隠していたとはいえ、あからさまになっ
た時のイングランド王家、とりまく貴族達、国民はさぞかしイカったことだ
ろう。

さらには、妃のマーガレットがサフォークと愛人関係になったことは、サフ
ォークの権力志向をも増長させる。そんなサフォークと共にマーガレット
はイングランドをひっかきまわす「女の皮をかぶった虎の心」へと変身して
いくのだから。

王宮のすみにたたずんでいるだけで、大竹しのぶのマーガレットはクセの
ある女そのもの。
不当なことをするヤツは、いつでも襲いかかって叩きのめしてやる。
睥睨しながら息を詰めて様子をうかがう雌の獣だ。

愛人サフォークが殺され、その生首をいとおしそうにふところに抱いてい
るかと思えば、マーガレット自ら玉座に座り、生首をふところから出して玉
座に載せてみたりと、することが大胆不敵な女なのだ。

ところが、歩きざまにポ~ンとそこにいる人物に生首を投げて行った。
愛した男の生首を。バスケットボールのパスじゃないんだから。
感情の起伏が激しい女だ。

ヨークへの復讐も壮絶を極めた。
なすすべもなく横たわっている男に紙の王冠をかぶせて、憎悪の塊となっ
ていたぶる様は、大竹しのぶ、野獣だった。

それもこれもあれも。
王冠をめぐっての権力争いは殺戮につぐ殺戮の連鎖、そして寝返り、か
と思えば寝返りに見せかけての陰謀が繰り広げられている真っ只中にあ
って、マーガレットにしたらただ守るために闘っただけよ、夫は守ってくれ
ないのだもの。それだけのことなのだろう。
夫ヘンリー六世の王座を、王妃の座を、愛人サフォークを、やがては王
位を継がせる子供を、守るため。
だがみんな殺された。

国土であり、利権であり、民族の血であり、宗教であり、奪うものと守るも
の。現代に亘ってなお地球上のどこかで、こうして血塗られた紛争が繰り
返されている。
シェイクスピアの史劇を観ながら今を見ているようでもありました。


Amazonに予約しておいた『1Q84』BOOK3はきっちり発売日当日に届
いた。
青豆、天吾のチャプターに、牛河が加わり三者交互の物語となっている。

牛河といえば、前作では自民党の大村秀章のイメージで読んでしまった。
(「たけしのTVタックル」にこの議員が初登場したときの衝撃ったら。発言
ではないのよ。ムニャムニャ。。。自粛
中野翠は、柳屋敷のマダムをイメージするなら金美齢だと書いていたけれ
ど、私は梨花ますみだった(宝塚ファン限定なりのたとえ)。
どうしたって梨花ますみの台詞まわしに乗ってマダムの言葉が飛び込ん
できたのよ。どうしたものよ。

拍手を有難うございます

 AZUママ 毎日戦いですね。
  最近は宝塚を観に行っても癒されないし。やっぱり私は、この人が
  好きというお目当てがいないと宝塚は観られないような。。。
  でも行くのだわ月組 バトラーのたとえで覚悟を決めたよ~

思いつくまま、まとまりなく

『ヘンリー六世』

作 W・シェイクスピア
演出 蜷川幸雄
翻訳 松岡和子
構成 河合祥一郎

ヘンリー六世 上川隆也
マーガレット 大竹しのぶ

開演12:30 終演20:30
3部作を2部に構成しなおし、休憩を挟んで上演時間6時間半。

イングランドとフランス間での百年戦争。イングランド国内では薔薇戦争
の時代。人物相関を理解できるのか不安ながらも、テキストを読んだとこ
ろで、どうせ途中で挫折するに決まっている。ぼんやりとした知識だけで
観劇。

目に眩しい純白の舞台。鮮やかな血の色の赤。
天から降ってくる白百合、紅薔薇と白薔薇。
やはり蜷川演出の「タイタス・アンドロニカス」、だいぶ前に観た「リチャー
ド三世」の舞台を思い出させる。

フランスと、イングランドのランカスター家が絡む場面は白百合と紅薔薇
が、ヨーク家が絡む場面には白薔薇が降り、後半はほとんどがイングラ
ンド国内の話になるので紅薔薇と白薔薇が降ってくるといった具合で、蜷
川氏がおっしゃるところの「よそんちの歴史」を日本人にも視的から理解
できるようになってはいました。
ががが、後半になると王も王妃も側近も、敵対するヨーク側も胸元にコサ
ージュのごとく薔薇の花をつけているのは、どういうわけなのか?
そこまでくどくしなくても、たとえよそんちの歴史でも、この時点では観客も
人物相関を理解できていると思うのですが。視的説明過剰。

またある時は、戦いにつぐ戦いの物語の象徴のように、肉塊がまるで舞台
を埋め尽くすかのごとく落下してくる。

舞台上に降り注いだ白百合や紅薔薇、白薔薇、そして肉塊は場面が変わ
るごとに、彩の国さいたま芸術劇場のゴールド・シアターの数人が掃除婦
に扮して片付けていく。殺戮の連鎖で傷つくのは当事者たちだけではなく、
国土であり一般の人々でもあるのだということを表しているらしい。

ところで、ランカスター家(紅薔薇)とヨーク家(白薔薇)の争いの遠因は、
リチャード二世の時代にあったのだと、吉田鋼太郎演じるヨークの台詞で
知った。
ヨークの台詞にいちいちうなずきながら、私は脳内に広げたうろ覚えの系
図の人物を確認してみる作業にいそしんでしまった。
一気に視界晴れ晴れ、スルスルスル~と血の繋がりが理解できたのだ。
(ほんとうか?)

シェイクスピアの『リチャード二世』で、ランカスター家のボリングブルックが
時の王リチャード二世に追放されるくだりでの台詞は泣かせた。

 イングランドよ、なつかしの大地よ、さらばだ。
 。。。母よ、乳母よ、お別れだ。

ところがボリングブルックは狡猾な策士だったのだ。
追放先から帰国すると、王にだけ許されている権利を行使したあげく、リ
チャード二世を捕らえて幽閉し自ら手をくだすことなく殺害させた後、彼は
ヘンリー四世として即位してしまう。ここが火種だったのだ。

ヘンリー六世よ、これがおじいちゃんだよ。
(どこかで聴いたことがある台詞、いやアドリブだ。『ASIAN WINDS!』)

245

アルメイダ劇場来日公演『リチャード二世』でのボリングブルック
(ヘンリー四世)はライナス・ローチだった。

であるから、ヘンリー四世の孫であるヘンリー六世は、王冠をヨークに還
すべきである。正当な王位継承はヨーク家にあるのだからと、ヨークに畳
み掛るように迫られたヘンリー六世は、言葉なく身を縮めるばかりで、妃
のマーガレットにいくじなしとなじられていた。

マーガレットの大竹しのぶはいつもの大竹しのぶなのだけど、台詞のリズ
ムが心地よくて、英語で聴いたとしてもマーガレットの台詞はこのリズムな
のではないかと思わせるのだ。

聖職者こそがふさわしいと言われ、夢想家でもあったヘンリー六世が、精
神の安定を失っていきながら、幽閉された身で書物だけにすがっている姿
が痛々しい。
羊飼いだったら。。。 王がそんな人生を望んでいる。王座にありながら
王の資質をそなえていない王なんていくらでもいたけれど、この王は乱世
に生まれたのが悲劇だった。

出演者が、舞台から客席に転がり落ちてくる場面が何度もあって、思わ
ず足を縮めて固まる。
戦場で目にした憎悪と殺戮の連鎖に「国民よ、国民よ」と慟哭するヘンリ
ー六世のローブがしばらく私の足に覆いかぶさっていたのは嬉しかった 
目の前の上川隆也にうっとり。
彼の舞台は新感線の『SHIROH』以来なのだわぁ~

まとまりなくつづく


拍手を有難うございます

 AZUママ
  どこかキーに触ってしまうと一瞬で消えるのよね。
  私も年中のたうちまわってます。
  我が家は、なんとなく空気で察するのか、私が外出する日の前夜
  が恐怖です。とうの昔に亡くなっている親類、友人、夫までもが
  揃って帰って来るらしくて、その準備におおわらわで私を寝させて
  くれないのよ 準備を手伝わない私はどうかしているんですって
  私がヘンなんですって。お~お~でっせ~

 Sさま
  若衆姿の色っぽさ、日本物のショーは宝塚の宝だと思います。
  ああ無常~♪のところの振りにどれだけときめいたか。
  私もあれから2005年のTCAばかり見ています。
  風が吹く嵐が丘に~♪ 家の中でも犬の散歩でも、こればかり
  歌っていると、あら~不思議。オサさんが本舞台から銀橋に出て
  くる歩き方になっている私がいます へへ~
  次のラム~ル ラム~ル~♪の出だしまでが耳から離れません。

     

記憶が流れ出て

フランスのタルヌ=エ=ガロンヌ県の古い農家だった館を憩いの場と
している友人から、近くの小さな村に映画のロケ隊が来たことがある
と訊いてはいたけれど、それが『シャーロット・グレイ』だと知ったのは
つい最近のこと。
DVDを何年かぶりでまた見てみた。
第二次世界大戦下、美しい風景の中で繰り広げられる対ドイツのレジ
スタンス活動の悲惨な物語。

ここぞとばかりに多用されるケイト・ブランシェットの顔のアップ。
監督は「オスカーとルシンダ」のジリアン・アームストロングなのだった。
納得。

マイケル・ガンボンってこんなに素敵だったのね!
おじさまに心を奪われる昨今であります。

そして前回の、BWでの宝塚の男役風味のダンスは、宝塚そのものを
イメージしたのだーーーあら~ほんと?のつづき。
いったいどこまでひっぱるのか
だって、闇の中にうずくまっていた記憶の塊が溶けてきたのだもの。
いや、当時の資料を探し当て読みながら思わず膝を打ちましたのさ。

深目にかぶったソフト帽のふちを指先でつまみ、片方の手は腰に軽く
あて、上体を少しだけ前に倒しながら、その肩はキザに前後に動かし、
出てくる片足は爪先立てて、これまたクサーイ弾みがついている。

これをチタ・リベラがやったらしい。

私も立ってやってみた。
なんとなくわかる。宝塚の男役になった気がした。

チタ・リベラやBWの振り付け家は、男役のダンスを宝塚の客席でしっ
かり記憶に刻んで、BWに持ち帰ったのでした。
当時チタは大地真央に、アナタのイメージで演ると言っていたらしい。

そういえば『エドウィン・ドゥルードの謎』で、主役の男性を女優が演じて
もいた。
この作品、日生劇場で上演が決まっていたのに、土壇場になって演目
が変わってしまいあれれ~??なんてことに。
後々まで、尾を引きましたな。


拍手を入れてくださった方々、有難うございます

 junkoさま
  ドラマチックな歌といえば、DSの時のような「パダンパダン」とか。
  ベコーの「ワルソーのピアニスト」などどうでしょう。
  オサさん、ピアニストになりたかったそうですし。
  歌の合間に素敵な台詞がちりばめられていて、あっ、でも男性一人称
  の歌詞です。
  この歌を聴くと、池田理代子の『オルフェウスの窓』のレーゲンスブル
  クの音楽学校を思い出してしまいます。過ぎ去りし青春の日よ。。。

なるほど白燕尾

昨夜もまたTVで9時から『追想』を、11時から『アビエイター』を見てし
まった。今日は眼のショボショボに加えて、眼の下の筋肉のヒクヒクピ
コピコが気持ち悪い。

前回のつづき。
『悲劇喜劇』の演劇時評、河合氏がおっしゃるところの「この二人が
出逢うだけで素晴らしいプロダクションになってしまうわけですけども」
の平幹二郎と麻実れいの『冬のライオン』。
はい。平幹二郎に拮抗できる女優として麻実れいは誰しもが納得の
いくところだとは思う。
でもそれだけではなく、このプロダクションがグローブ座終了後に、6
ヶ月に亘って日本を縦横に移動する過酷な旅公演でもあるということ
を考えると、よっぽど演劇への愛が深くなくては、麻実ターコさんのよ
うな選択はできません。と言い切ってしまおう。
スケジュールを見た時にはめまいがぁ~~
しかし小林十市さんは元気だ。ブログでの旅先からの写真なんか、彼
いつも宙を舞ってます。

そして、エエ~~~ッ!!とびっくりだったのが『蜘蛛女のキス』のとこ
ろでの山口氏のご発言。(演劇時評は、東大大学院准教授の河合
祥一郎氏と朝日新聞論説委員の山口宏子氏との対談形式なのです)

日本初演の時の話しに続いて「プログラムにBWでオーロラを演じたチ
タ・リベラのインタビューが載っていて、BW版は宝塚の演出の影響も
受けているという話をしていた」
ほんとぉ!? 引っ張り出してみたプログラム。
何故か日本初演版は見つからず、これは1998年再演時のもの。
そのようなインタビューは掲載されていなかった。
話しの流れから日本初演版プログラムのことなのだろう。

243

↑蜘蛛女/オーロラは麻実れい。
今、我が家の庭に咲いているお花を捧げてみました。失敗。。。

で、びっくり演出場面というのがこの白燕尾。
オーロラが白燕尾姿でアンサンブルの男性たちを引き連れて踊る場面
は、BWでの上演時からまさしく宝塚の男役のイメージなんですって!!
知らなかったわぁぁ。
当時話題に上ったかしら?記憶が消えたのかしら?

巨匠ハロルド・プリンス
1993年のBWの舞台で繰り広げられていた白燕尾のダンスは、宝塚
からパク。。パクってくれたというわけ。。。いえイメージしたのです。
この場面、トニー賞受賞のチタより麻実ターコさんのほうが圧倒的に格
好よかったそうです。
そうでしょ、そうでしょ。忘れられない場面となってます。

荻田浩一版は未観。

マンハッタンの怪人

つづき

その『Love Never Dies』の原作は、フレデリック・フォーサイスの
『マンハッタンの怪人』。
これは『オペラ座の怪人』のアンドリュー・ロイド=ウェバーと話し合
いながら、フォーサイスが書き上げた作品なのだとか。

ん!フォーサイスだと!?
作風がとんでもなく違うだろう。
なんでまたエリックのその後を書く気になったのか?
そのへんのところは謎であるが、ともかくAmazonのレビューでも覗
いてみましょ。

 こんなのエリックじゃないやい!! 

アハハハ~ 早速叫ばれてました~

株儲けに勤しんでマンハッタンでのペントハウス住まいだなんて。
エリックおまえは。。。
そりゃぁ、叫びたくなるかもね。


宝塚のファントム大好きにとっては、エリックは死んだのだ。
クリスティーヌの腕の中で。
嗚呼、あのコピット版、春野寿美礼がよみがえる。

父親の手を振り払いクリスティーヌのところへ駆け寄って行こうとする
オサさんエリックの「はなしてぇ~」。 
この場面ばかりを何回見たか>とくに東京千秋楽の録画ね。
ある時は「はなして!」キッパリ。またある時は「はなしてぇ」裏返り気味。
観るたびに違った「はなして」。
今日はどんな「はなして」かな?
心はずませていそいそと劇場に通ったものよ~~(泣)

だからマンハッタンに出現するエリックは、私の知っているエリックで
はないわ。
せいぜい株で儲けておくれ~美容整形だってばっちり施しておくれ~
と、そっぽを向いても、「これではラウルがあんまりじゃないですか」
なんて、どなたかのレビューで嘆かれてるいるのをみちゃうと、いった
い今度はラウルに何が起こったのよ? 
ちょっと読んでみたいかしら

そうそうSさま。『Love Never Dies』の演出は『コースト・オブ・ユー
トピア』でトニー賞受賞のジャック・オブライエンでしたわ。

            公式サイト   ⇒☆

愛は死なない

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ロンドン、WE。
『オペラ座の怪人』の10年後を描いた『Love Never Dies』の
20日のプレビュー初日が、舞台機能の万全を期すために時間
が必要とかで、22日に延期されていました。 Sさま。  ⇒☆

「この日のチケットを持っている方々を失望させることになるのは
重々承知しています。舞台稽古を観ていただくことになるか、プ
レビュー期間に再予約していただく方には、後方ですが座席を用
意してあります。」
とあっても、この注目作品。
『オペラ座の怪人』ファンはプレビュー初日を目指してチケットを手
に入れていたのでしょうからお気の毒。

でもWEのチケット売り場って融通が効くかもですよ~
日本から観に行くので良い座席を用意してほしいと、劇場にメール
をして望みの席を確保してもらったのよとは、レイフのオフ会(な・な
懐かしい)でお隣だった方の言。レイフの舞台はチケット難だから
ねぇ。言ってみるものなんだ~

麻実れいさま

麻実ターコさんは、お茶会を宝塚時代からずぅ~と今も、毎年東西
で続けてこられている。すごい!
が、この私、昨年は母の介護、サーシャの看病、私自身の体調不良
の三重苦で身動きがとれず参加することができなかったのだ。

その時のレポートなどが掲載された会報に、印象深いターコさんの
お言葉が。

「今までは舞台があって人生があった。
今は人生があって次に舞台がある。」

歳を重ねていくことは素敵だ。身体的、精神的には弱くなっても
見えないことが見えてきたり、感じ方も変化してきた。。。というような
くだりには、ああ私たちってほんとに長い道のりを歩んできたのだわ
と感慨ひとしおであった。← 勘違いしてます。勝手にくっついてきた
だけです

見えないことが見えてくる。。。なんて素敵な!ああ私たちってほんと
に大人になったのだわと感涙にむせびそう


長い年月、舞台の第一線で活躍してきた人が、私生活も決しておろ
そかにすることなく、充実した人生を築いてこられたからこその言葉
だ。

麻実ターコさんは、宝塚時代から「私のファンはわがままで厳しくて、
満足することがないのだから」とよくおっしゃっていた。
そんなファンからの要望を叶えられるように、負けないように頑張っ
て、ずっと舞台を続けてこられたのは、ファンに育てられたからと、
そう「ファンが私を育ててくれた」ともよくおっしゃる。

海外の舞台を見渡して、あの作品を、この作品を、ターコさんに演じ
てもらいたい。それがひとつひとつ叶って、ことごとく演劇賞まで受賞
して、それでもファンはまだまだわがままで厳しくて、満足することが
ないのだから大変なことだ。

1月15日に初日を迎える「冬のライオン」。
ヘンリー2世の王妃エレノアは、これまでキャサリン・ヘプバーン 、
グレン・クローズと名優が演じてきた。
(因みに、66年の舞台版でトニー賞を受賞したローズマリー・ハリス
は、この間の「コースト・オブ・ユートピア」でナタリーとドイツ人の家庭
教師を演じてトーニー賞に輝いたジェニファー・イーリーのお母さん)

ターコさんはどんなエレノアを演じてくれるのか?
いつも時を選んで、ターコさんに素晴らしい役を与えてくださって、と
そこの見えないあなたに感謝をささげよう。

ちらちらと「コースト・オブ・ユートピア」

お買い物をさっさとすませキッチンに立ちっぱなしで、何年か前に
古本屋で見つけた昭和39年発売の「おせちとお正月料理」本を
参考に何品か作ったのだ。
今風のおしゃれ~でもなく、ぜんぜんモダンじゃないところがいい。

合間に、録画進行している「コースト・オブ・ユートピア」をチラチラ
と覗いてみる。
これが1時から10時までなので、家人がTVやレコーダーをやみ
くもにいじって、録画されてないなんてことにならないよう見張らな
くてはならないのよ。

さてとさてと、寝る前にざっと再生して見た。
お正月明けに、一人でじっくり見る時のお楽しみにとっておくこと
にして、ほとんど早送り。

亀山郁夫氏の解説は有りがたかった。
そうそう、読んだばかりの「悲劇喜劇」の亀山氏の掲載文に、興味
深いことが書いてあった。
ドストエフスキーを登場させるとしたら、蜷川さんは誰にドストエフス
キー役を割り振っただろうか。
その役者に猛烈な羨みを覚えるにちがいないといった余韻と印象
に残る一節だ。

そうだ、プーシキンが亡霊のように現れて消えて行った。
「友よ、祖国のためにこのうるわしい熱情をささげよう」と書きおくっ
た親友のチャダーエフもいた。

そして時を経て、ドストエフスキーは「悪霊」を書く。
そうか、その「悪霊」のモデルは、後のレーニンに繋がっていくのか。
まさしく大河の流れだ。

ゲルツェンの妻のナタリーは、BWではジェニファー・イーリーだった。
今回見て、彼女だったら情感豊かに演じただろう、はまり役だった
だろうと思った。
ナタリーの親友でゲルツェンの子供を生むナターシャは情緒不安定
らしいのだが、終始キンキン声でがなりたてるばかり。
こういう演技はとっても苦手で辟易する。
蜷川さんは、がなりたてをへいきでさせるので、そこが嫌いだ。


 AZUママ、「相棒」って知った時、マトブンは役づくりをどうする
  のだろうと思ったわ。「ファニー・ガール」は、そりゃぁもうグランマ
  を騙すしかないかしら。でもその前にAZUちゃんがハノイに戻っ
  た後のグランマのご気分次第というところでしょうか?
  お互い翻弄されますね。

Eonnagata(女形)

昨日はお茶会。
諸事情で参加できず。
お逢いしとうございました麻実ターコさま。

いつからかHDDに収まっていた「エトワール最後の60日 ~マニュ
エル・ルグリ~」をDVDに落として、強制的にSさまに見て頂くべく
お送りしてしもうた。
オペラ座のエトワール、ルグリが最後のステージを終えて言葉にし
た万感の思い。子供の頃から一筋にめざしてきて、頂点に立った者
が去っていく時の言葉はいたってシンプルだった。
オサさんのさよならを思い出すではありませんか。


その夜ふとTVをつけると、シルヴィ・ギエムがベルサイユ宮殿の庭園
を歩いていた。
オペラ座から早々と飛び出したシルヴィ・ギエムのドキュメンタリー番
組「シルヴィ・ギエム~限界への挑戦~」だった。

宮殿を管理する庭師に、「大好きな日本の牡丹には、雨よけも作って
あげているわ」なんて言ってる。
日本の美学、繊細な美意識を理解する一人なのだ。

後半のほとんどは、春先にロンドンで上演された「Eonnagata」(女形)
の初日を迎えるまでを追っていた。
私といえばマルグリットで頭が一杯の頃、その昔東京バレエ団で踊
っていた義姉が、即完売だったこの作品のチケットを確保してギャオ
ギャオはしゃいでいたっけ。

「Eonnagata」(女形)は、ギエムとロベール・ルパージュ、ラッセル・
マリファントとのコラボ。
ルイ15世16世の時代の外交官でスパイ、男として生まれながら生涯
の半分を女装して過ごしたシュヴァリエ・デオン(女装するドレスはマ
リー・アントワネットから贈られたとか)を描いた作品。

軍服以外に、日本の扇を手に着物をはおり、剣を使っての迫力ある
殺陣。この和テイストがなんとも官能的だ。
幻想的な陰影を映し出す照明、シンプルな舞台。

2ab94f86.jpg

abb43b09.jpg

迎えた初日。
ギエムはメイクのために鏡に向かいながら「震えをとめる気力が
必要だわ」。
ギエムにして、必死に身体のバランスを保っていなければ倒れて
しまいそうになるほど本番前は「怖いもの」なのだ。

番組の最初から見たかった。
輸入版DVD、私きっと買うだろう。

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