宝塚

はじまり

数時間後には名古屋、中日劇場へ。
携帯には雪だるまマーク。外はみぞれ混じりの強風。
その昔も、吹雪いている中を中日に通いましたっけ。

ほとんど見なくなったCSで、たまたまラストディのCMが流れた
のを見てしまったら、みぞおちの辺りに居座る悲しみが詰まった
塊りに、刃の先でチクチク触れられたような痛みが。

帝国ホテル側の押し寄せてくる人混みの中で、車道にはみ出さ
ないよう踏ん張りながらサヨナラを見送っただけでは納得できず、
もういないのだということを、しかと確認してくる作業をしなければ
次へ進めん。。未だぐだぐだを引きずってますな。
というよりも、新生花組が頑張っている舞台を、オサさんがご覧
になったとしたら感じるであろう喜び(ふにゃふにゃ~とね)を、私
も味わってこようかと。
ふ~ちょっと辛いぞ。

ルパン

宙組主演男役に大和悠河が決まり、そのお披露目公演は梅芸DC
での『A/L』~怪盗ルパンの青春~なのだと訊いたときは、おそらく
演出家はルパンの映画を見たのだろうな。そこでタニにと閃いた?

そう勝手に決め付けたくなるのは、宝塚ってオサさんも踊っていた
白鳥の場面といい、世間での話題が静まった頃に取り入れてくる
どうしようもないズレ感覚、後手に回ってばかりで辟易よ、が多いん
だもの。
あれだって、あれだって。。「ファントム」のフィナーレ。。もう言いたく
ない。

映画「ルパン」は、2004年のルパン誕生100年を記念しての仏英
伊西合作。 わがパスカル・グレゴリーも出演しておりました。
豪華絢爛、あの時代のダンディズム満載、ただぞれだけという作品。
宝塚でのホン次第では、どうなのだ。。。? だからそのホンが怖ろ
しいことになっていないかと不安を感じる花組黒蜥蜴。(思いはそこか!)


映画「ルパン」公開時のオフィシャルは  →☆

堕天使の涙

コムちゃんは人間ではなく、魂のように輪郭があいまいで体温なさ
そうな役が似合うのでしょうか。
あの細いコムちゃんの、さらに頬骨が皮膚を破って突き出てきそう
なほどに肉が落ちたお顔が痛々しくはありましたが、堕天使ルシフ
ァーの姿の美しさには感嘆!
人間界に迷い込んできた悪の華は、どこまでも美しくなくてはね。

この芝居、キリスト教色がかなり強いのですが、乙女な景子先生
の脚本は甘いというかぬるいというか青いというか大仰というか、
あれしきのことで堕天使は何を悟ったというのか?と思えるような
人間界のいくつかのエピソード。
確かにエピソード自体はあり得る事として面白いのですが、そこに
堕天使が絡むほどのことかと。

舞風りらのリリスは惨めであればあるほど、福音書の
 「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」
が生きてくるのですから、十字架にかけられたイエスのように、誰か
らも見棄てられた者として描きたかったのでしょうが、今公演サヨナ
ラだというのに寝たきり着たきり。
新調お衣装とっかえひっかえだった同期のふづき美世のサヨナラと
この違い、奇しくも脚本演出は同じ景子先生。もうちょっとなんとか
ならなかったのかと思わなくもないですが、「光のパ・ド・ドゥ」が夢の
ように素晴らしかったので良しとしよう。

「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」を訳すと
主よ、主よ、なんぞ我を見棄てたまうや(何故に文語訳。。)
私にとっては「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ」のマルコ福音の方が
しっくりくるのですが、それは遠藤周作の「イエスの生涯」に感化され
てしまったからなのかも。

それはともかく、十字架上のイエスが最後に叫んだ詩篇の一句である
「エリ、エリ、。。。。。」
景子先生、壮大なテーマを織り込んでしまったのねと背中がむず痒く
なってきたところにリリスの「受け入れる」の台詞。
神の沈黙を絶望せずに、すべてを受け入れて死んでいったイエスの
愛そのもののようなリリス。
これに、憑き物が落ちたようになる堕天使。
今まで、ボクなんだかスネていたんだ。。そんな感じですか。
堕天使としての面目は捨てたのか。。宝塚での宗教色はややこしい。




見るからに堕天使!
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ディズニーのキャラクターのなかで断トツに好きな
「シンデレラ」のルシファーですキラキラ

うたかたの恋

11月後半から12月にかけてのこの日とこの日は、名古屋と広島に
お泊りですからね。
と、家族の前で宣言しても、そんな先の話はその頃になってから言
ってくれると相手にしてくれないので、さっさとホテルの予約を済ませ
た後は、カレンダーに×印を書き込んでおく にっこり
倉敷は日帰りで行けるなぁ。

晩秋から冬にかけての花組の全ツ。
「うたかたの恋」と「エンター・ザ・レビュー」。

やっぱり最終地は広島でしたよ~ヤマちゃ~ん!!
オサさんの作品、どれを観せても心動かすことのないターコさん一筋
の頑固者ヤマちゃんよ、どうだ!うたかた。。。びっくり

「うたかたの恋」は麻実れいと遥くららのための作品でしたものね。
この二人が是非演りたいと希望したことから実現しただけに、麻実フ
ァンにとっては思い入れのある作品なんですよね。
私は、モックのメイクが映画でマリーを演じたダニエル・ダリューを意識
しすぎてか、細い究極の円弧眉だったのが衝撃的すぎて、オペラを使
うのにマリーが入らないよう苦心したかを思い出しましたよ。
うっかりあの円弧眉を見てしまうと、噴出しそうになって汗

その後の「うたかたの恋」のいくつかはCSで観ましたけど、初演初日
の感慨を超えるものはなかったので、さぁどうか!?オサルドルフ!?

さぁ、名古屋

明日は名古屋、殺し屋との最後の二日間。
これで終わっちゃうのだ。

ウルフとはもちろん別れがたいけれど、アンナのマネージャーの
鶏冠のように髪の毛を逆立てたパトの行く末が心配。
あんなにおどおどしながらこれからも海千山千の世界で生きていけ
るのかパト。ホリプロ代表だってスタートはバンドボーイだったという
から、ガンバレ!
月央和沙、名前すら知らなかった下級生だけど次回「ファントム」で
はあなたの姿を探しますよ~

留守にする二日分の食事の下ごしらえを終えました。
夢の世界で遊ぶには、現実のこまごまとしたことを片付けてからじゃ
ないとと一応心に言いきかせてみても、その心はとっくに名古屋に飛
んじゃってます。

犬には黙って出かけます。
うちのサーシャ、前もって出かけることを告げられると不安と緊張で、
また発作を起こしかねないですからね。

ちょっとだけペレイラを

「落陽のパレルモ」でオサさん演じるヴィットリオの曾孫、ユミコ演じる
ヴィットリオ・Fはスカラ座で成功をおさめた演出家なのだそうです。
ユダヤ人との恋を成就させるためだけの目的で、国を捨ててアメリカ
に亡命するんですよね。
渡航費用は借りてさ。
「全ての人間が何の差別もなく生きられる日がきたら、帰ってくる」とか
言って。
もうほんとどうしようもないボンボンなの。
だいたいそんな日が、この地球上に来ると本気で思っているのかって。

イタリアだけでも、ユダヤ人を含めてどれだけの人たちがファシストと
闘って命を落としたかは知りませんが、彼は闘うこともなく国を捨てる
のですよ。
まぁそれは各々の事情でよしとしても、「きっと帰ってくる」なんて。
闘うこともなく捨てたということにかんして何の躊躇いもなく、帰国され
てもな。かつては仲間だったミラノの芸術家たちだってレジスタンス活動
で命を落とした者もいるだろうに、そんな彼らから快く迎えられないだろう
ことも覚悟しているか?分かってる?と言ってやらなければ気がつかな
いようなお気楽さが感じられて。
いくらユミコが熱く演じていてもどうしたってシラ~と冷めた目で見てしま
うのよ。
このヴィットリオ・F、ユミコ自身もさぞ演じ辛かろう。

そんなヴィットリオ・Fを見ていて、ふと思い出した男がおりました電球

以前読んだアントニオ・タブッキの「供述によるとペレイラは。。」は、
ファシズムの影が忍び寄ってくる気配に抗うことができないポルトガル
のリスボンが舞台。
ここに住む妻を亡くした初老の新聞記者ペレイラが、一人の青年との
出会いから思いもかけない運命をたどることになる物語なのですが、
思いもかけない。。はちょっと違うか、究極は彼の魂がそれを望んだの
だからその魂に従ったまでのことと、言ったほうがよいかもしれません。

この本のタイトル「供述によると。。。」のとおり、ペレイラはどこかに拘束
され取調べを受けているのですが、その場所がファシスト政権下なのか
反ファシストの下でなのか明らかにされてないんですよね。
どちら側かによってペレイラの運命は大きく変わるということだけは確か
でも、人が生きていくとは、変わっていくとは、を考えるのに場所を知った
ところで何になるってことなのでしょうか。

1990年代初頭のイタリアは、かつてのファシズムの時代に逆戻りと
いった危機感迫る事態となっていたのですか。知りませんでした汗
そんな状況のもとで描いた作品ということもあって、イタリアでは発売と
同時にベストセラーになったとか。1994年発売です。

さよならをもう一度

なんですと!
たぷろうさんのブログを覗いてびっくり。→

あの日、たぷろうさんが運転している車と、私が仏頂面して助手席に
乗っている車とが、どこかですれ違ったと。。。?
それはそれは、気がつきませんでしたわ。
もしかしたら、八百屋の前辺り?笑い

たぷろうさんに断られたおかげで、一人寂しく行ってきましたわよ。
雪組。
それがやっぱり、この公演にたぷろうさんをお誘いしたのは、虫の
知らせだったことが判明したのでありますよ。

ショーの「ワンダーランド」の中詰めあたりに、往年の映画音楽を歌い
ついでいく場面があったのですが、「さよならをもう一度」を水夏希が歌
ってたんですよ!!
アナタに境遇が似ているからと薦めたサガンの「ブラームスはお好き」
の映画版の主題曲ですってば!
あれは間違いなく「さよならをもう一度」だった。。。と思うの。
出だしがブラームスの交響曲でしたからね?ハート割れ

確か朝海ひかるが「ジャニーギター」を物悲しく歌ったあとだったような。。
この「大砂塵」の主題歌の「ジャニーギター」は大好きで、麻実れいの
ディナーショーで歌ってほしいと言い続けて。。。誰に?ターコさんご本
人に? いえ、山ちゃんにヒヨコ

そのブラームスが流れてきた時、階段の手すりにもたれてだったか、
くずれおちてだったかのイングリット・バーグマンをまたまた思い出して
しまいましたわよ。この時のバーグマンの台詞は辛い!

はい、いつでもお遊びにいらしてくださいませ?
春野寿美礼浸けにして差し上げますからね。
内野聖陽のDVDも無理やりお見せしましたよねクラッカー
内野のダンスには。。。汗でした?キュートやんラブ


私のトートは。。

「エリザベート」行く?のお誘いに、どんなトートでもいい。
トートに逢いたい、不満を述べませんからと、久しぶりの宝塚歌劇。

まわりからは「内野トートじゃないのだよ。やるせな~い気分におちいっ
ても知らないから」と止められましたが、どっちにしたって生き地獄(どっ
ちとどっち?ようわからん。。)なのだし、阪急電車に乗るのもかれこれ
4・5年ぶりだし、熱に浮かされていた頃の恥の記憶が甦るわぁと行って
来ました。

センター寄りの4列目。宝塚大劇場ではこのあたりのお席が一番好きです。
舞台からの視線に舐めてもらって、ときめいたが最後、泥沼にはまって
しまう恐ろしいお席でもありますハート矢

宝塚トートは、ビジュアル的にはまったく文句のつけようがないのは当然
のことでしょうが、ああ毒が。。毒が。。。。。内野トートの猛毒を忘れられ
ない身としては、危険な香りを感じない、さっぱりした味付けの舞台に思え
てしまいました汗
そもそも宝塚に毒を求める私が間違っているのですけどね。
私の前の座席の三人連れの方、「内野さん。。」「内野さん」内野の話で
もちきりでしたわラブ

それと、最近の宝塚事情を知らない者があれこれ言うのもどうかとは思い
ますが、エリザベートを男役が演じてしまうと、組の娘役さんたちの心中は
いかがなものなのでしょうか。
気の毒では?と私などは思ってしまいます落ち込み

舞台は電飾なしで、全体的にシンプルでした。
小池先生、9月帝劇は電飾取っ払ってくださいよぉ。
ましてや電飾のわざとらしい扉。。あの発想は何処から来たものなのか。
扉が開いてエリザ家族たちがどやどやと向こうへ出て行った場面で、梅コマ
で見ていた時のお隣の方「エッ!?」と声をあげていらっしゃいました困った

電飾なしでは物足りないとのお考えでしたら、帝劇に銀橋つけますか?
宝塚トートはこの銀橋に座って足を投げ出しポーズ!は!
不覚にもドッキン!ドッキン!と胸、高鳴りました。

帰り、誰にしようか迷ったあげくに春野寿美礼トートのDVDを買ってしまっ
たのですが、ほんと懲りないヤツです。

テレビ 購入DVD「エリザベート」

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お稽古場の様子が嬉しぃ~音符
映画のDVDでも、まずメイキングを見たいほうですからキラキラ

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